ご挨拶
私は1925年1月(大正14年)に生まれ、本年80歳の傘寿を迎えました。
思えば1945年(昭和20年初夏)沖縄特攻作戦に参加、十死零生の運命から奇跡的に生還しました。
その後は脇見せず必死に働き、知らぬまに還暦を迎え古希・喜寿を過ぎ夢想だにしなかった 当時の年齢の4倍となり長寿を重ねる事になりました。
これには、神仏や両親は無論のこと 特攻で亡くなった御霊のご加護、御交誼下さった方々のお陰と称し感謝しているところです。しかし私にとって決して忘れることの出来ない「生き残り」と云う文字が大きくかぶさってきていました。
何かをしなければ、亡き隊員や戦友に申し訳ない思いで愁命に努力残し、その甲斐あって知覧特攻平和会館の設立に貢献することが出来、亡き戦友たちも「よくやった」と言っている様な気がします。
これによって生き延びて来た負い目は消えるものではなく生涯重荷を背負っていくものと思っており今後も生霊の為努力する所存です。
平成16年1月吉日 傘寿記念 板津忠正